RESERVE 34|37 インプレッション|長野県|飯田|スポーツバイク自転車店

スペック」

リムハイトはフロント34㎜、リア37㎜のディスクロードのカーボンホイールではローハイトのモデル。
ハブはDT240 仕様で重量が1,354g。
他社では登り用のモデルが1,200g台の物もあり、ものすごく軽くはないのですがその走りの秘密はどこにあるのでしょうか。

「インプレッション」

登り】

走りだしてすぐに感じる押されるような加速感!
通常のローハイトのホイールにある軽いけどふわっとした加速ではなく、ドンッと押されるように加速。少し重めのギアをかけてダンシングすると速度の伸びもあり、ヒルクライム用のシャカシャカした感じというよりはオールラウンドに使えるホイールの印象。勾配が5%前後のの緩斜面で使うと慣性力で登れ、練習の単独走よりレーススピードで実際に走った時の速度域とパワーに合わせてチューニングされています。登りでも速度が落ちにくいという感覚が一番強いです。

【ヒルクライムレース】

日本のヒルクライムシーンで考えると、平均勾配7%の乗鞍ヒルクライムでは前半が緩斜面で集団も形成されやすいので、出来るだけ前半は流れに乗って集団で温存するシーンで効果を発揮すると思います。富士ヒルクライムは平均勾配6%でもっと斜度がさがるので慣性力のあるヒルクライムホイールを選ぶとタイムが伸びるでしょう。

【乗り心地】

乗り心地は驚くほどいいです!
路面に吸い付くように安定し漕いだ力を逃がさず前に進ませようとしている感がとても強い。

どこかで乗ったことがあるような感じ

マウンテンバイク用のカーボンリムの乗り味に似ています。
ロード用のカーボンホイールは乾いた感じでカリカリした乗り味がスタンダードだと思うのですが、このホイールはしっとりした印象。サーヴェロR5の完成車に付属しているホイールですので、このフレームの乗り味に合わせたことは間違いないと思うのですが、R5の乗り味とホイールの乗り味が全く一緒!

リザーブのリムはマウンテンバイク用でも体重制限なし、生涯保証というとんでもない製品保証があります。
実際にワールドカップでも優勝している折り紙付き。

【クリンチャーでも乗りやすい】

ディスクブレーキのバイクの特性として乗り味が硬い、下りのコーナーで外に膨らむ特性があり、これを解消するのがチューブレスタイヤです。性能的に素晴らしいのですが、チューブレスは色々と手間がかかります(詳しくは割愛、、)

このホイールはチューブレスにしなくても乗り心地もいいんのでクリンチャーで十分。
私が乗るとすればできるだけ硬くて薄いVELOFLEXのクリンチャータイヤに、チューブはパナレーサーのR-AIRを選びたいなと思います。
チューブは最近流行りのTPUだと硬いし、ラテックスだと空気圧がシビアになりすぎるので、R-AIRが一番タイヤのグリップをしたから出せて安定します。

【平坦】

平坦もリムの剛性が高いので、とても気持ちよく走れます。
40km以上になると速度の伸びはありませんが、いつも平地を20キロ後半から30キロ前半で巡航している方には本当にいい感じだと思います。

前後でリム幅が変える目的】

フロントは内幅23㎜ 外幅30㎜、リアは内幅22㎜、外幅29㎜。
フロントは路面からの衝撃を緩和するためにリム内幅を広く、タイヤとリムの段差をなくして空力を高めるために幅広。
リアはフレームの後ろにホイールが隠れるので空力より駆動力を高める目的で少しリムを細く。

とても理にかなった作りでENVEも同じ考えを採用しています。私もディスクロードに乗っていて求めているものはフロントはエアロと乗り心地、リアはフレームが長く駆動力が乏しいでもっと硬くしたいと常々思います。このあたりは重量だけでホイールの性能は見えてこない、コストをかけて研究している証です。

実際にリザーブではライダーの後ろに流れる乱気流まで計測して製品作りをしています。
ホイールに当たる風を研究するのは全メーカー行っていますが、フレームとライダー全てを入れてトータルで考えています。

【まとめ】

実際に乗ってみると重量だけでは分からないものがたくさんありました。
絶妙な緩斜面で速いホイール、そして登りのあとには下りも平坦もそつなくこなすリムハイト。
リムの衝撃吸収性が素晴らしく、乗り疲れがほとんどない。
世界最強のプロチームが使うホイールは、以外にも乗り手の力をひきだすヒューマンフィーリングにこだわったものでした!